何というか、とある2つのゲームに大きなルール改訂(主にナーフ)が入った。

その一つがもう流行りの山は過ぎている気がするが、未だに事故を多発させる要因である1つのポケモンGOだ。

まぁ悪いことばかりではないし、節度を守ってプレイしていればそこそこ楽しいゲームではある。

ポケモンや新要素の追加などがあり、楽しめる要素が増えたのは喜ばしいし著者としては好意的に受け止めている点は少なからずある。
但し、ゲーム環境が大幅に変化しそうな改訂が入り、前環境の最強ポケモンの二強を完全に潰しにきたナイアンテックには若干呆れている。

1:カイリューや各種水ポケの技の速度のナーフ。

何というか威力調整に飽き足らず、速度調整までも入ってしまうと強かったはずのポケモンが産業廃棄物に早変わり。
新環境のポケモンを使って欲しい意図は酌めるけども、他を上方修正すればいいんじゃないのかなと思えてしまう。
前環境で弱かったポケモンは引き続き産廃な訳だしね。

2:ラプラスのCP低下

前作のドラゴンキラーかつ火と草以外ならどこに出してもそこそこ行けるレアポケ中のレア、ラプラスにCP調整が入った。
技ナーフはぶっちゃけドラクロとか水鉄砲の高速連打が強かったのでまだいいとは思う。
ひたすら10km卵を割っても出ず、苦労して育てたポケモンが一瞬で300近く下げられたプレーヤーはやる気が出るだろうか?
強すぎたとして、レアなんだからいいじゃないかってのが正直な所である。
だったら、弱点持ちの草やら炎のタイプのポケモン強化しろよと。
元々そこそこHPあって一撃では取りにくいポケモンなのにナーフでドラゴン族狩りすらままならなくなったのはどういう了見だろうか?

まぁこちらのゲームはぶっちゃけナーフが有っても外に出る際には体を動かす機会を提供してくれる健康器具的なプレイしかしてないので著者は呆れるくらいで済んでいるのだが、もう一つの方が大きな問題である。

はてさて、どういう事かと言いますと、

今一番世界で売れているカードゲームこと遊戯王のせいでカードゲーム業界に激震が走っています。

http://yugiou-djmikun.com/2017/02/17/post-2725/

上記事をまず読んで理解した上で以下の文をご覧になると、どれくらい酷い改訂か理解できると思います。

販売元のKONAMIが新たに作り出した召喚ルールとそれに付随して行われたマスタールール4なる公式ルールが環境を一変させてしまう事が確定し、カードショップ等で先行きの価格帯の予想が出来ないため、遊戯王全般が買い取り不可の状態に。
更に言えば、一ヶ月ほど前に出た新弾パックや各種テーマデッキ群のカードが産廃になったり、現状使われているデッキの大部分に組み込まれているエクストラデッキという融合、シンクロ、エクシーズなどの特殊召喚の概念が大体産業廃棄物レベルにされてしまったと言えば分かりやすいでしょうか。

つまり、売りたくてもプレーヤーが持っているカード資産(紙ゴミの束)はショップが引き取ってくれず、カードショップとしては主力商品が根こそぎゴミと化したので阿鼻叫喚という訳です。

まぁ元々の環境が健全であったかと言われると、『基本ゲームが始まって、ダイスロールをして、2〜3ターンもあればどちらか死んでる。』と揶揄され、『超高速で相手を殺すカード』と『それを妨害して自分を守るカード』と『そのテーマに沿ったカード群』にしか生きる道がないという如何に脳みそが筋肉で出来ているお子様向けのカードゲームであったのはDDBやらサイエンカタパやら宝札エグゾをやっていた人ならご理解いただけるかと。

http://yugioh-todays.com/2017/02/19/react-link-summon/

上記事のように、KONAMIの現在のインフレしすぎた高速環境に対する是正の姿勢として、マスタールールのフィールドの改訂は一部の人間には好意的に受け入れられているという記事もありましたし、そういう側面で見れば決して悪い物では無いのかもしれませんが、市場に与えた悪影響を見逃すことは出来ません。

この改訂で既存のデッキの大半がエンドカードや潤滑剤の変更を余儀なくされ、現状で使われているシンクロやエクシーズの暴落が予想されます(というか既にしました)。

先に書いたように、カードゲームショップは現有資産が恐らく投げ売りたい紙ゴミになってしまったことでしょう。
誰も買わない、売りたくても売れない(一部買い取りされているショップや値上がりした物もありますが・・・)今の状況では、主力商品で大量仕入れしていた遊戯王にいきなり不良債権を押し付けられたと言っても過言ではありません。

遊戯王を主力としていたショップの一部は存続が危ぶまれ、プレイ環境の衰退やプレイ人口の低下はもう既に始まっていると言えます。

コンテンツとしての遊戯王が終わって、単品で終焉を迎えるだけなら別にMTGプレイヤーの著者には何も思うところがなく、「ふーん、遊戯王終わったんだぁ・・・」という感想しか湧きません。

ですが、それで他ゲームのプレイヤーまでプレイ環境が脅かされるとなると黙ってはいられないという訳です。

主にカードショップの商品は
遊戯王デュエルマスターズヴァイスシュヴァルツMTGウィクロスヴァンガードと残りはゲーセン筐体のカード(三国志大戦やらWCCFやら艦これアーケード)などで、
私が思うに、MTGを置いていない店も多く見られるため、主な主力は遊戯王デュエルマスターズウィクロスヴァイスシュヴァルツの4種と言っても過言ではありません。

少なくともカードゲーム屋の25%以上の売り場面積があると考えられ、カード単価は安価なものの、売上自体はそこそこ良好だったと記憶しています。

その一角が全て紙ゴミと化した場合店の損失は計り知れないというわけです。

MTGみたく、単品のカードが数万〜ン十万するわけではありませんし、遊戯王で超高額というカードは指折り数えるくらいしか知りませんが、それでも主力であることには変わりなく、割と売れ筋のパックやテーマデッキすら売れなくなると店がまるまるお亡くなりになる可能性があり、他のゲームをプレイする人の環境も脅かしていることになりかねません。

これについてKONAMIは何も考えていないとしか思えません。

ぶっちゃけ、新しい概念そのものは別にいいと思っていますし、私的には歓迎するところです。
MTGでも過去にマナバーンやダメージスタックの廃止やプレインズウォーカーカードの導入、機体、装備品などの新基準カードの制定で環境は大幅に変わりましたし、長年エキサイティングにゲームを続ける上で、キーワード能力の追加などは必要不可欠といえます。

しかし、最も長く続いているカードゲームであるMTGでも新ルール改訂でフィールドの在り方(呼び方や表記は変わったことがありますが)が変わった事は一度も無いのです。

そもそも罠カードや伏せるタイプの魔法カード、特殊召喚するスペースその物の概念や環境が全く違うのでこの改訂が悪いとは一概には言えません。
MTGはありとあらゆるカード(トークン)を無限に並べることが可能なので、フィールド資産が有限の彼のゲームとは異なる所も在るでしょうが、フィールドの概念そのものが今回の遊戯王のように大きく変更されたことはありません。

MTGも高速環境事態は起こりえるゲームなのでフォーマットで使用できるカード群を制限したり、環境ごとの禁止カード、制限カードが制定され、平均3キルの流行デッキは大抵メインパーツが禁止されます。
それは環境健全化と環境の目新しさを保つためでもあるので、概ねのプレイヤーは文句を言いながらも決定に従い、カードショップも大きな被害はそう受けないように出来ています。


では、比較して今回の遊戯王はどうでしょう?

特に禁止カードを出したわけではありません。
しかし、ゲームシステムそのものを改訂し、『インフレしすぎた高速環境の是正』という大義名分だけで、環境を破壊し、過去の資産を全て地に墜したのです。

ゲームバランス云々も変わりますし、資産状況など一変するどころの騒ぎではありません。

これは許されないでしょう。

正直なところ、海外の大手カードショップ辺りから何らかの補償がなければ訴訟を起こされかねないんじゃないかなぁと著者は思うほどで、各カードショップやプレイヤーに何らかの補償をするべきなんじゃないのかとか・・・。

まぁそんな事やってたらKONAMIは潰れるでしょうが・・・。